留守伝票

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「蛇神さまの嫁入り」を読んだ感想

おはようございます。僕です。

百錬の覇王が終わってもう2週間ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
僕はタイトル的に警戒していた「転生したらスライムだった件」「ゴブリンスレイヤー」を見ましたが、どちらもクソアニメ特有の「一話目から漂う独特の不穏な空気」が無かったので安心して続きを楽しみにしています。
ただ「ゴブリンスレイヤー」は心が弱くAVを見ながら「どんな環境で暮らしてるんだよ」と想像しただけで泣いていた僕にとっては一話目からえげつない演出してきてマジで一話見終わった後落ち込んでましたね。つらない?

さて、今回の記事はなろう小説の感想です。
発端は僕が誕生日を迎えたときTwitterのフォロワーさんからきた、あるDMでした。それは「なろうの自作小説を読んでほしい」という内容で、しかもR-18の官能小説でした。ていうかなろうってR-18あるんだ……。
一瞬「なんなんだよ」とびっくりしましたが、AVの感想記事を読んでから「この人に自作小説でシコらせたい」という強い思いを抱き、送ったのだそうです。その気概はどこから出てくるんだ。普通特定の人に「シコらせたい」って思うことあります?
それがこちら、「蛇神さまの嫁入り」という作品です。

「人をシコらせたい」というその気概は嫌いじゃない。むしろ好きだ。なのでその後にきた「覇王の後に感想書いてください」っていう熱い思いを受け取って今記事を書いています。
安心してください。クソ小説の類ではないです。説明で「エロシーンのある話には☆マークがついています」って書いてあったけど9割ついてて「ほぼ全部かよ」と思いましたけど、よく考えたら官能小説なんで当たり前なんですよね。

読んだ感想

ということで書いていきましょう。あらすじは「村のしきたりが嫌で逃げ出した青年、修司は自由なサラリーマンとして暮らしていたが、故郷の村から半人半蛇の美影がやってきた!修司と美影のドエロい生活が始まるのであった」みたいな感じです。
どうせこの後説明しながら感想書くんですけど、僕は無駄にネタバレが嫌いなのでざっくりあらすじ解説しました。


第1話はいきなりしゃぶられているドエロいシーンからスタート。ここで主人公修司が自動車工場のライン工であり、今は年末休暇初日だということを自然に説明。これこれ!こういう小説求めてた!最初に状況がわかる説明いれてくれるやつ!
クソアニメやクソ小説を長く見すぎて死にそうになっていた僕はかなりハードルが下がっているのもあるが、一話からかなり自然に状況説明してくれる小説に感動すら覚える。今季の休みで感覚が戻ってきそう。

修司はまだ目の前の相手が誰なのかわからないままドエロい目にあっているようだった。修司は恐怖で怯えていたが、オタクでもない限り半人半蛇のラミアに逆レされていたらビビるに決まっている。僕だったら「このまま死んでも成仏出来そう」って言いながら死ぬ。
一話かけてドエロいシーンを終えると、美影はようやく自己紹介をして、七日間の同居生活が始まった。
この時点で相当エロいシーンの描写が濃い。エロゲで慣れていたと思っていたが、小説に関しては昔から海外SF小説の淡白なスケベシーンと三島由紀夫のめちゃくちゃ遠回しな熱い描写のエロシーンしか見たことなかった僕は若干照れていた。
「うっひゃ〜〜〜これ書いていいの〜〜〜!?も〜〜〜スケベ!ドエッチ!」と目を隠しながら電車で読んでいたが、自身の照れと戦いながら読み続ける。


第2話。今回は具体的な説明回っぽい。
修司の故郷には「蛇神様」という神様がいたらしい。蛇神様とは雨乞いや作物を司る神っぽく、豊作祈願や雨乞いで人前に出るらしいので、村民はみんな見たことがあるらしい。めっちゃくちゃオープンな神じゃん。邪心に駆られたよそ者が攫ってって見世物小屋に売っ払われそうだ。
その蛇神様の子供が一家に一匹いて、修司はその世話役を担っていたらしい。そしてその蛇が次世代の神になるときは婿として迎えられるらしい。親は世話役としてしか修司を見ておらず、修司はその村から抜け出すことをいつも考えていた。大学卒業とともに何とか逃げ出した修司はサラリーマンになり、自由を手に入れた、ということだ。
田舎特有の風習で狂った人生観は見ていてなかなか心にくる。環境で人間が決まるという説も実際の田舎の村八分の様子を聞くと納得できるところがあるから恐ろしいよな。

そして美影は連れ戻しにきた、というわけではないらしい。修司はとりあえず平和的に帰ってもらうことにした。
裸エプロンで料理を作る美影が気になって居心地が悪い修司は美影を見たり、テレビを見たりして気持ちを落ち着かせることに努めた。そのうち、朝食作ってきた美影が戻ってきた。
めっちゃくちゃ詳しく朝ご飯の食レポをする修司に「そこまで?」と言いたくなるが、こいつも朝ご飯にかける思いというものがあるんだろう。

そして朝ご飯を食べ終わった修司は「隠し味でもいれてるのか?」と聞くと美影は大胆にキスをした。「これが隠し味の正体です」と濃厚なキスを交わした美影は言った。僕は体液入りの料理は性癖的にツボなので「やられたーッ!」と言いながらデコをピシャッと叩いたのだが、友達からなかなか共感を得られず辛いところだ。いいじゃん。食ザーとか好きだよ僕。

そして当たり前にドエロいシーンに持っていく。九割がドスケベなんだから当たり前なんだが、読んでいて「急に!?」とビビる。エロゲでも大概「そこでスケベすんの!?」と驚くシーンは多々あるが、まさか小説でもそうだったとは。無知というものはどこまでも恐ろしい。焦らすシーンが多いことを見受け、「気をつけないとこういうのって作者の性癖が出るんだな」と思った。いや、小説出してる時点でさらけ出さないといけないのは必然なんですけど。

3話。元々そんなにやることがない上今朝から二回搾られている修司はめっちゃくちゃ疲れていた。うたた寝をしていた修司は、いつの間にか腰に美影の尾が巻きついていることに気付いた。どうやら寝ながら巻きついてしまったようだ。寝相みたいなものか。
修司はなんとなく尾をつんつんしていると、そこから普通にスケベなシーンに。だよね。そうなるよ。だって下半身いじくってたら普通のカップルでもそうなるよ。
そしてオチに「やっぱ性癖がドストレートに出てんじゃん!!!!!!」と叫んでしまった。僕も気をつけないと。


4話。ここであらすじで「二日目です」みたいなことを書いてあったが、3話まで1日目の話だったのかよ。1日に詰めたなっていうか濃厚すぎるだろ。一生にそんな日1日あったら残りの人生全部その日の思い出で生きていけるわ。
今後の美影との付き合い方について考える修司だったが、とりあえず今は強く出ないようにするらしい。
で、美影はもう既に巻きついた状態から声をかけてきた。もう!?早ない!?いや、知ってるけど!!!!これエロ小説なの知ってるけど!!!!!残りのスクロール全部!?!?早ない!?!?

で、ドエロいことして寝てたら半日寝てたそうです。社会人になって寝正月で終わると色々と後悔とか出てきますよね。「やっべ、6時まで寝てたわ。まあいいやゲームしよ」と余裕でいられたあの頃に戻りたい。
そして修司は、久しぶりにクマのない自分の顔を鏡で見たのだった。こういう「体で相手が与える状態変化」を伝える一文があるのいいよね。こういうのがあると心にじんわりくる何かがある。見習おう。


5話。買い物に付き合ってほしいと美影が修司にお願いした。修司は「カップ麺あるしええやろ」と返事をすると、美影は怒りながら「あんなもの食べさせるわけにはいきません」と修司に注意した。もうオカンじゃん。
しかし修司は「どうやって外に出るんだ?それ(下半身蛇)じゃ無理でしょ」と言うが、美影は何か策があるらしい。私に一ついい考えがある。

美影はコートとロングスカートで見事に下半身を隠した。でも僕も修司も同じところを気にしていた。「それ結局下這っていくわけにいかなくない?」ということである。

しかし、それも車椅子を使うことで解決した。なかなかの名案だと思う。車椅子の人なら他の人は下半身にあまり注目しない。
「なるほどな〜〜〜!」と感心していたら次の瞬間に車椅子と修司は手錠によって固定されて「は?」と言ってしまった。逃げ出さないためかぁ……そっかぁ……(+チック姉さん山田)
でも買い物に行く途中の雑談や買い物中のやりとりに、修司に少し「情」を感じる。

買い物の後もふっつぅ〜にイチャイチャしている様子の二人。エロゲにおける「ドスケベパートに性欲以外の『情』が乗る日常パート」という重要イベントなのでじっくり読みこんだ。今までこういう恋愛ジャンルの小説は読んだことがなかったので、妙に読んでいて「いいの?見てていいやつ?」とドギマギとしてしまう。なろう特有のハーレムは慣れていたが、こういう純愛は心に直撃してくるから心臓に悪い。
そしてコーヒーを飲んだので自然な流れでトイレに行くことに。そんでまあ当然ですがドスケベパートに。僕自身トイレで致すというのが大好きなので「おいおいお〜〜〜〜い!!!お前おいお〜〜〜い!」と言いながら熟読した。そして後書きで気付いたが、今の時点ではまだ前戯までしかいってない。次で本番らしいが、6話になってようやく本番っていうのも遅い気がするが、よく考えたら初回で本番までいくエロゲのほうがよほど節操がない。でも最初から本番シーンまで見たいっっっ………!それがオタクの性っっっ……!!


6話。前回の最後らへんで我慢出来なくなった二人はお家に帰って速攻セクロスの準備状態に。こういう「二人でセックスのこと考えて帰る帰り道」とかそういうやつ大好き。やばない?だって二人してお互いセックスのこと考えて歩いてんねんで?もうセックスが服着て歩いてんのと一緒じゃん。僕はこういう「日常の中のドエロいシチュ」で抜けたりします。正直本番いく前に「こういうの好き〜〜〜〜」って言って満足して一旦携帯の画面閉じて落ち着いたらもう一回見るということをやっている。オタクというのは好きなシチュとかの供給が一度にくると心が虚になってしまう。

でもスケベパートは書くの恥ずかしいのでここでは書きません。各自確認してください。


7話。前回の続き、二回戦という感じの回だ。はい。恥ずかしいのでスケベは省きます。
事後、行為中に勢いで言ってしまった「好き」という言葉に安堵し、涙をボロボロと流す美影。罪悪感とともに故郷のことを考える修司で幕引きとなった。
あ〜〜〜〜〜つれぇ〜〜〜〜〜勢いで言っちゃうやつほんとつれぇ〜〜〜〜〜いや後で救われることになろうとつれぇもんはつれぇ〜〜〜〜ヒャ〜〜〜〜〜


8話。前回の幕引きの仕方があまりにも見覚えのある光景で反射的に心が苦しくなってしまった。こういう「勢いで出た言葉」によって悲惨になことになっていくエロゲをプレイしすぎた結果がこの拗らせすぎて日常アニメしか安心して見られなくなったオタクなのだ。

でも普通に日常に入っていく。ご飯を作ってもらって食べ、お風呂に入ってた。「なんや!必要以上に警戒することないやん!」と思っていたら、美影がお風呂に入ってきて背中を流し始める。「あっ、アカンこっちの警戒は緩めとった」と気づいたときにはドスケベパートに。拗らせたオタクはスケベパートに入るときも予告が必要なのだ。ていうかそもそも九割九分スケベパート入ってるのに警戒緩めていたのがおかしい。完全に「エロ抜いた状態」で楽しんでる節がある。
セックスとは対話だ。その中に含まれる感情のやりとりこそが醍醐味であり、感情同士がぶつかりあってこそのセックスなのだ。これは拗らせたオタクの言う戯言なので本気で受け取ってもらわなくていいです。

さて、お風呂でスケベを終えた二人はゆったりと湯に浸かっていた。
美影の愛に少しずつ「村に帰ってもいいかもしれない」と思い始める修司。親に世話係としてしか見られていない修司は「自分の居場所」を見失い、それを求めて逃げ出したのだ。

エッモ。すげぇエモい。でも僕が修司だったら「ぜってぇ村に帰らねえ」と思ってしまう。
修司たちは風呂上がりにウィスキーを飲み、隣で眠ってしまった。「起きたら村に連れて帰られるかもしれない」と思いながら眠りに落ちる。その感情は「諦め」なのか「安心感」なのかはわからない。


9話。なんと今回はスケベなしの回だ。感想が濃くなりそう。
二人でゆっくり映画鑑賞するらしい。その時点で「感情の色合いの濃さ」がヤバくなりそうな予感がすごい。一文で語彙力が崩壊するのも作品の感想を書くときの醍醐味の一つである。クソアニメの感想書いてるときは完全に脳内から消えてた感情ですが、久しぶりにまともな文面を見て感情が生き返った。この作品の感想「感情のザオリク」かよ。

美影に起こされた修司は「まだ家にいる」という事実に驚くとともに、美影の体温が心に沁みていた。今日は大晦日らしい。修司のオリジナルメニューを当然のように出してきた美影に「なぜ知ってるのか」という疑問に思いながらご飯を食べていた。そこは気にしろ。でもここが伏線みたいに見える。僕だけ気にしておこう。
特にやることがないので美影にリクエストを聞くと「海か映画」というので即決で「映画」にした。どうやら雨らしい。確かに雨の中で海を見に行くというのはロック音楽のプロモーション映像撮りに行く人しかいない。

美影がなぜ映画が見たいと言ったのかというと、修司が聞かせる映画の話が楽しかったらしい。村の中では極端にエンターテインメントがないらしく、子供会で見せてくれる映画しか楽しみがなかったらしい。いつの間にか暗い表情になっていた修司は美影を心配させてしまった。その様子を見て胸を痛める修司に僕は「このなんとなく心境変化してってんの好き……」とニヤニヤする。

そこで修司はネカフェで映画を見ることを提案。映画を見ながらも過去を思い出す修司。修司の感情と思いにエモ吐血が止まらない僕は「良い……」しか言っていないので特に書けることがない。じんわりと「無自覚だった自分の思いに気付いていく」という感情の渦に包まれていく僕は「こういうの〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」としか言えなかった。

でも股間が美影のお尻に押し付けているのに気付いたとき、なんかエッチなことをする雰囲気に変わっていった。
お前ら……店員さんから「うち防音じゃないんで」と釘を刺されていたのに……。


10話。そんでまあ色々ドスケベなことした上でピロートークをする二人。毎話のようにドスケベが入るのでその度に省略してるけど、本編はマジで濃密なドスケベが詰まってる。でも僕は照れるので全部書き出せない。ごめんなさい。みんなは各自チェックしてくれ。

さて、なんやかんやあって帰ってきた二人。修司が美影にマフラーに贈り、二人の絆が深まっていくのが目に見える。ひゃ〜〜〜〜!
そして気になっていたことだが、美影に「連れて行くつもりはないのか?」と聞くと「帰るつもりはない」と言う。どうやら美影自身も村について喋るのは嫌なようだ。


11話。最初からアヌスのセクロスに入る導入からスタート。セクロスのペースがマシンガンかよ。これがホントのセックスピストルズってか。
いや、ハイペースなのは官能小説だからしょうがないんだけど。官能小説一つも読んだことない僕が言う「しょうがない」もよくわかんないけども。なんなんだよ。

はい。それでセクロスが終わり、お風呂に入ってゆっくりしていると、美影のうなじあたりに切り傷の跡を見つけた。その瞬間修司は脳裏に何かが過ぎった。何かのトラウマが発動したような修司は急に布団に潜り込んだ。

急に気分が急降下するような演出にビビる。いや、そもそもこの関係は不安定な要素が多すぎるのだ。
読者である僕らは「安心感」と書かれた盆の上に乗っているにすぎない。その盆の下では一本の棒で回してバランスをとっているようなものだ。少し体勢を崩せば奈落に落ちていく。
そんな足元の危うい中でやっているドスケベは安心感の象徴なのかもしれない。
それに気付いてしまうと一気に深みが出るのが官能小説の恐ろしいところなのかもしれない。
次々と芋づる式に気付く僕は感情の処理が出来ずにいた。今頭を抱えながら感想を書いている。正直僕も感想を書きながらこんな感情になったのは初めてなので今までと別の意味で頭を抱えていた。次回はスケベなしのシリアスパートらしいし心が痛くて仕方がない。助けてくれ。


12話。今回は修司の過去の回想からスタート。また普通の蛇を世話していた時代、美影は度々脱走していた。あるとき脱走した美影に修司は感情が爆発した勢いで鉈で美影を斬りつけてしまった。クッソ辛い。人間のエゴな文化のせいで誰かが傷ついている命があるというのはとても辛い。
それから美影は二度と脱走しなくなり、脱皮して傷も消えた。それから美影に会うことはなかった。様々な疑問を抱いたまま、眠りについた。

目覚めた修司は追ってを確認しつつ、郵便受けを確認すると年賀状が入っていた。浩二という男からだった。蛇神様の婿候補であり、修司の世話役の後継ぎだった。要するに「村の連中に居場所がバレている」ということだ。
そして年賀状には「結婚しました」という文言と白無垢の美影と浩二の写真。は?どういうこと?寝取られ?今寝てる美影って誰?

村の連中のことを考えると、居場所がバレててこのままなわけがない。修司は一気に展開を読んだ。「きっと美影は本体が遣わした分身か何かで、俺を懐柔して殺すつもりなんだ」と読んだ修司は、年賀状を握りつぶし、美影を海に誘った。
海についた二人。なんとか修司は拘束を解き、美影を置いてそのまま逃げ出した。

なんとか落ち着いた修司は美影との日々を思い出し、自分の気持ちに素直になった。そして修司が浜辺に戻ってくると、美影はかなり冷たくなっていた。死ぬの?
修司がぶっ飛んで家に帰った。その玄関に立っていたのは、年賀状に写っていた浩二だった……。

今回はもう色々感情が渦巻く回でしたね。ヤバい。マジでヤバい。
語彙力が死んでしまったのでどう読者の感情が動いていくかは読んで確認してください。


13話。浩二は別に強制的に村に送還するとかそういう目的で来てるわけではないらしい。
めちゃくちゃ複雑な話になってきて最近単純明解ななろうアニメしか見てなかった僕は二回くらい読み返して理解していた。

めっちゃくちゃ噛み砕いて短くまとめると、浩二がやってきた理由は「村の改革と蛇神の力のために村に帰ってきてほしい」ということだ。いい奴では?
明朝、本体の美影も連れてくるらしい。いい奴じゃん。

美影に事実確認をすると、確証がとれた。美影は多少回復しているものの、確実に衰弱していた。今の美影は「脱皮した皮についた思いがついて実体化したもの」らしい。人外から人外が生まれる無限ループが出来るある種のウロボロスのようなものか。ファンタジーというか、創作の中ではなかなか業が深い上エモさが半端ないものだ。こういうことをニチアサとかでやられると号泣する。

お互いの愛を確認しあった二人は、自然と唇を寄せ合っていた。


14話。今回は一番イチャラブ濃度が高い終始ドエロに徹する回だった。「同人サイトで単話で売ってた第一話を買ってみたら最高だったから単行本も買ったら『実はその第一話のイチャラブは布石で、残りの4話は今後の展開のためのスパイスに過ぎなかったNTR本』」ということを体験した僕は「徹頭徹尾イチャラブってさいこ〜〜〜〜!!!!」と叫んでしまった。
約束された勝利ほど安心するものないよな。


15話。前回からの続きでこれもえらいドスケベな内容だった。「濃度で言ったらエロゲでルート確定した後の最初のエッチくらいだな」と思った。抜きゲーの「最初のセクロス」ほどの濃度のものはたとえドスケベであろうが「心に響く」のだ。


16話。ついに最終回。あえて内容は解説しない。なんというか、「ファンタジー系のエロゲで見た展開だけどやっぱいいよなぁ」という内容だけでざっくり理解して、そのまま本編読んでほしい。
終わり方も僕好みだったし、「これ絶対タイトルからいけるイベントのところでアフターストーリーとかあるやつじゃん」と思った。CG回収率上げたら別のストーリー見られるやつ。

最終回を迎えたところで、まとめの感想いきましょう。


まとめの感想

さて、いかがだったでしょう。読んでる最中は「エロゲやってんのかな」と思ってましたが、ラストあたりは「もう泣きゲーと抜きゲーのいいとこどりのやつじゃん!!!!!20本に1本あるタイプのやつ!!!!!」と言いながら読んでました。

でも抜くことはなかったです。文字で書かれているとどうしても文法や表現、演出に着目して「こういうの使いたいな」「これ見習おう」と思ってしまうので全くエロさに集中出来ない。いや、ある意味小説には集中している。


今回はリクエストされて書いた感想なんですが、正直めっちゃくちゃ難しかったです。土日を二回使って書いた。
いつもの感想は「自然と僕の突っ込みが入って物語が進んでいく」という感じなんですが、今回は九割スケベだし文章もしっかりしてるので「エロい小説読んでんなあ」という感じがすごい。それしか出てこない。

正直どうやって感想を書いていいのかわからない。今まではツッコミを入れて「ガハハ。なんやこれ」と言いながら思ったことそのまま書いてるだけで良かったが、今回はめっちゃくっちゃに真面目だ。ストーリーもどちらかと言えば重めだし、ギャグといえる箇所も少ない。エロに比重を置いている時点でコミカルさは期待するべきではないのだが、「どうやって書いたらいいの?」という思いで頭が破裂しそうになる。マジで書いてる途中で頭を抱えてしまった。どうしたらいいんだ。

ていうかAVの記事でもそうだったが、僕は照れ屋さんなのでエロシーンを濃厚に記事に書けないのだ。にも関わらず、この作品は九割エロだし一割はシリアス。しかもエモい。こうなると語彙力が死ぬ。
つまり書くことが出来ない。僕にとっての「詰み」なのだ。

「正直に感想書いたらいいじゃん」と皆さん思うだろうが、あんまり僕が好き勝手書き過ぎても「感想」というより「僕の言葉」が前面に出てしまっていけないし、そうなったらもう感想である必要もない。そんな問答を僕の中で延々と繰り広げ、記事を書いていた。これは愚痴というよりも苦悩である。
正直「安請け合いしすぎた」という感じはある。「自分が新しいことに挑戦している」ということに無自覚だったのだ。今まではツッコミどころがあるから突っ込んで書けていた。今回は「ツッコミ役と真面目な人」が出てきてステージで普通の話をしているに過ぎないのだ。観客、どんな感情で見てたらいいんだよ。「友達の家で漫画読みながら寝転んでそういう話してろよ」と思われるに決まってる。

そういうことで、「感想記事書くのはクソ作品だけにしよう」ということにしました。
よろしくお願いします。でも「読んでください」っていうのは結構あるんで読むだけならします。そういうことです。


はい。今回の作品は「(スケベに関しては好みの問題だから言わないけど)ストーリーの筋はちゃんとしてるし、伏線も所々張ってあってちゃんと回収している。そこここにある演出や表現の仕方に『参考にしたい』って感じのやつがあって良い」って思いました。

良い作品でした。ありがとうございました。良作の感想を書くと真面目120%になって恥ずかしくなっちゃうので、今後感想記事はクソアニメとか「書きたい」と思ったものに限らせてもらいます。


もう一回通して読んだら確かにムラッとしたので、シチュエーションが似てるAV探してきます。ありがとうございました。


おわり