留守伝票

一番好きなアイス→ディッピンドッツ

「異世界はスマートフォンとともに。」を五話まで見た感想(第一話編)

おはようございます。僕です。
休日ぶっ潰して今季話題になっているあのアニメを最新話まで一気見してみました。感想なので当然五話までのネタバレも含まれているんですけど、「それでもいい」「どうせ本編見ないから感想だけ見たい」「見た上で人の感想を見たい」という人は見ていいと思います。


見ようと思ったきっかけと一話を見てみて

僕は今日、折角の盆休みに午後三時まで寝ていたことを後悔していました。
ブルーになったので「アニメを見て癒されよう」と思ったんですけど、折角時間があるのだから普段見ているアニメと違うものを見てみようと思いました。そしてぼけーっとニコニコ動画を見ていたらコメントの中に「まるで将棋だな」というものが書かれていました。
そう、「異世界はスマートフォンとともに。」に登場する迷言です。

僕はそういったネタは元ネタを確認しないと気がすまないタチなので、「ちょっくら冷やかし程度に見に行くべか」と、キーボードを叩いてニコニコで配信されている一話を見てみた。



いやあびっくりした。驚きました。
冒頭から神に「お前は手違いで死んだ」という通告を受け、それを「はい」と受け入れる主人公。僕が寝る前にする妄想をまさかこの目で実際に見ることが出来るとは。

そして公式配信されてるニコニコ動画のあらすじの説明にびっくりしました。
>神様の手違いにより死んでしまった冬夜は、なんと異世界に転生することに!?
そこで出会った双子の姉妹エルゼとリンゼ、そして神様に異世界でも使えるようにしてもらったスマートフォンと共に異世界ライフを始めることに…。
神様パワーで身体能力UPに魔法の才能まで手に入れバージョンアップした冬夜は、超便利なスマホを駆使して魔獣討伐をしたり、アイスを異世界に生み出しちゃったり、と異世界ライフを満喫し始める。
果たして、冬夜の新しい人生やいかに!?(コピペ)
「死」の概念が軽すぎる。死んでおいて異世界ライフを悠々と満喫できるお前は現実で一体何があったんだ。

そんで主人公。お前だよお前。いきなりCV立木の神からの「お前は俺が殺した」を普通に許すな。生への関心ゼロかよ。じいちゃんの言ってたことを守って人を許すよりお袋さんの方を大切にしてやれよ。
あと神様でさえ字が読めなかったってどんなDQNネームだよと思ったら普通に「冬夜」かよ。読めるわ。初見で読めるわ。立木神もお前なんで読めないんだよ。主人公が自己紹介せずともお前が名前言ってやりゃいいだろうが。

しょっぱな1分からこの感想ですよ。なんだこれは。ニコニコのコメントなしじゃ見られないんじゃないか?ツッコミどころが多すぎるぞ。ていうかテンプレが多すぎるぞ。果たして俺は最新話まで見ることが出来るのか?
そんな不安をオープニングまでのアバンで感じることが出来るこのアニメは、別の意味で「すごいアニメ」なのかもしれない。
「とにかくアバンは終わった。大丈夫だ。ちょっとびっくりしただけだ。オープニングもA応Pが歌ってるし爽やかでいい感じだな。サビの歌詞が若干鬱陶しいだけで何もおかしくない。大丈夫。大丈夫だ。」と自分に言い聞かせる僕。

オープニング明け、木の下で目覚める主人公冬夜。
なんか立木神からスマートフォンの中の仕様を異世界用にしてもらえたらしい。めちゃくちゃ物分かりのいい冬夜は「わあ!ありがとうございます!助かります!」というお礼まで出てくる。お前そいつに殺されてんで。

謎のアイキャッチの後、とりあえず街を探して道を歩く冬夜。お金の心配や食料の心配もしていて「わかるけどそれは心が落ち着いた頃にする心配では?」って思ったけどそもそもこいつ死んで転生することをすんなり受け入れているし、健常な人間ではないことが明らかだったので何も気づいていないふりをして視聴を続行した。
通りがかった服屋のオーナーに冬夜が着ていた学生服を売ってお金を得ると共に街へ来ることが出来た。なんというご都合主義。
いや、このご都合主義こそがこのアニメの醍醐味でありこのアニメそのものなのだ。そこを楽しめなければこれを見続けることは拷問に近しい。と思ったらコメントで既に「懲役24分」とか書かれてて「裁かれた上の実刑かよ」と思うと共にこのアニメの恐ろしさの片鱗を感じた。
そう、僕が見ているのはまだ一話目。ここまでつっこんで一話目のたった5分49秒なのだ。これから何を見ることになるのか恐怖しながらも、僕は画面を見続けた。

「それいる?」と言わんばかりのアイキャッチが流れた後、路地裏で何やら言い争っている女の子と男の声。気がついた異常者冬夜は路地裏に入り、「お取込み中すいません」とノコノコ登場。何でもいいけど入り方がめちゃくちゃ鬱陶しいな。
「お、女の子助けて知り合うんか?早速来ましたよテンプレが」と謎のわくわくが到来する僕。何に期待してるんだよ。

冬夜「それ(悪党がガメようとしていた角)を金貨一枚で買わせてください」
僕「うん」

冬夜「はっ!(小石を投げ悪党が持っていた角を破壊する)」
パリーン!(割れる角)
僕「は?」

悪党「なにすんじゃテメェ〜!」
僕「ほんとだよ」
冬夜「それはもう僕のだったんで壊すのも自由でしょ?」
僕「わかるけどなんで壊した?」

頭がどうかなりそうな視聴者の僕を差し置いて冬夜は襲ってきた悪党を返り討ちに。その間に回想で「神にステータスガン振りしてもらった」ことを説明。そして余裕でぶっ倒し「すごい……まるでスローモーションだ」「こんな簡単に勝てるなら壊す必要なかったかなぁ」とさながら化け物に育てられ初めて人里に降りた狂戦士が放つ言葉をサラリと言ってのける冬夜。こいつ既に狂戦士なのでは?
そんなこんなで双子のエルゼ(姉)とリンゼ(妹)と知り合い、宿を確保することが出来たのだった。

ヤバイ。なにがヤバイってここまで異世界にきてから一つしかイベント起こしてないってところだ。
ただ単純に「路地裏でイチャモンつけられてる女の子二人をかっこよく助ける」ってだけでここまで突っ込むところがあるのが恐ろしい。
再確認しておくが、これはまだ第一話なのだ。第一話のおよそ9分足らずでここまでつっこめてしまうのだ。僕はそれを確認し、まだあと4話分つっこむところを書くのかと戦慄していた。
しかしどうしても書きたい。テンプレ展開なのにどこか狂っているというこの状況をそのまま受け入れてしまうこのアニメが逆に面白くなってきたのだ。「内村さまぁ〜ず」の第二回配信の日村の「夢の回」を思い出す。あのグダグタ続きの上つまらなすぎて逆に面白いぶらりしない途中下車の回だ。
気付けとしてインスタントのブラックコーヒーを淹れ、一旦落ち着こうと自らの頬を叩いた。そして深呼吸し、Twitterに少しずつ感想を書き、一時停止になっているニコニコの再生ボタンをクリックした。

なんやかんやで「ちゃんとした仕事もらいたいしギルドに登録にいこう!」というエルゼとリンゼ。それに金魚のフンのごとくついていく冬夜。お前に主体性はないのか。
武器を持ってないクソザコナメクジの冬夜に「ええ……(困惑)」というリンゼ。初めて登場人物に共感した。
そんで日本刀らしきものを買った冬夜。どうやらこの異世界で日本がベースになっているような国は「イーシェン」という名前らしい。ネーミング的に中国に近いのではと思ったが、「いや待てよ。何か元ネタがあるのかもしれない」と思いググってみた。

シンガポールのお正月にいただく魚のお刺身の名前」だった。そんで「イーシェン 中国」って調べたら「易県(イーシェン)」という場所があることもわかった。シンガポールの食文化について少し知識を深めることが出来た。
はーやれやれと異世界スマホの再生画面のウインドウに戻ってきて「それでイーシェンって元ネタあったの?」という最初の目的を思い出した。たぶんこれからなんかあるんだろうな。うん。この時間は絶対無駄ではなかった。シンガポールのお正月に頂く魚の刺身の名前が「イーシェン」というものだったという知識は今後無駄にはならないはずだ。知識というのはどんなものでも知らないより知っていたほうがいいに決まっている。

で、まあやんややんやして魔獣討伐の依頼をこなした冬夜一行。異常者冬夜は大型の魔獣を殺すことに一切の躊躇がない。ガンガン魔獣を切り刻む。マジで狂戦士じゃん。生まれながらのサイコキラーかよ。
そしてギルドに帰ってきて受付のお姉さんがギルドカードにスタンプを押す……押s……押さ……ない!?押さないのかよ!!なにそのスタンプから出た魔法陣みたいなやつ!!!押せや!!!
行ったことがない遊園地に行ったらまず場内スタンプラリーみたいな企画を探してしまうスタンプラリー大好き人間の僕としては「カードにスタンプを押さず魔法陣的なものを出してカードにセーブする」というスタンプを冒涜する行為に怒りで思わず肩が震える。でもそんなのはお構いなしにアニメは進む。ふざけるなよ。

テーブルで落ち着き、リンゼに「読み書きを教えてほしい」と頼む冬夜。なんか初めて日本に移住して文化に馴染もうとしている外国人のようで少し応援してあげたくなった気がしたが2秒でその感情が薄れていってしまった。なぜだかは僕にもわからない。
「ついでに魔法も教えて」と図々しい主人公。しかし、なにやら適性がなければ使える魔法は限られているらしい。個人によって使えるタイプが違うようだ。リンゼちゃんはそこそこすごいらしく、6種類のうち3種類の属性の魔法が使えるらしい。すごいぞリンゼちゃん。
例として水属性の魔法を使ってみせるリンゼちゃん。呪文はシンプルに「水よきたれ」だった。わかりやすい。リンゼちゃんは魔石から水を出してみせた。「おお!」と感動する冬夜。そうだぞ。お前には驚くという感情が足りなさすぎる。
そして見よう見まねで冬夜もやってみることに。

結果、水が大量に出てきた。「やっぱりな」と言わざるを得ない。予想の範疇というか予想ど真ん中ストレートだった。余裕で予想的中ホームラン王になれるアニメかよ。
他の属性の魔石も試してみたが、どれも成功する冬夜。知ってた。だよな。わかってる。
属性は6つなのに7つめの魔石があることに気づいた冬夜はリンゼちゃんに説明を求めた。めちゃくそ優しいリンゼちゃんは7つめの魔石の説明をしてくれた。聖母か?
その7つ目の魔石は「無属性」というなろう小説で最強の能力として多々使われる属性だ。「個人魔法」とも呼ばれるらしく、ようするに「その人特有の能力」らしい。やっと個人の魔法が出てきたかって感じだ。リンゼちゃんは転移魔法の「ゲート」なんかがあると説明した。冬夜はなんとなく無属性の魔石を手にやってみた。

はい。出来ました。
「全属性の魔法が使える上無属性の魔法も勉強すれば使える」というクソみてぇなチート能力でした。本当にありがとうございます。神よ。CV立木の神よ。彼は一体前世で何の徳を積んだんだ。何をしたら彼はこんなに優遇されるのだ。

主人公冬夜のクソチート能力がわかり、宿に戻る一行は宿の店主から「新商品を考えてほしい」と言う。そこでアイスクリームを提案する冬夜。「お前作り方知ってんのかよ」と思いながら見ていた。

冬夜はスマホでレシピを検索し始めた。
全俺が「おいおいおいおいマジかよそこで使うの!?!?!?!?!?」と絶叫していた。これまでやれ魔法だなんだに頼ってきたのにそこでスマートフォン!?!?!?!?待て!!!!再生時間を見たらもう残りわずかだぞ!!!!エンディングカットしたとしてもこれ作って終わりじゃないか!?!?!嘘だ!!!散々スマホに頼らずにきたのに最後ちょっと使って終わりなわけが!!!!!!

終わりました。しっかりエンディングやりました。アイス作っておしまいでした。お疲れ様です。本当にありがとうございました。
エンディングのbuzzGさんのええ感じの曲を聴きながら複雑な気持ちでいた。エンディングめっちゃいい曲。買おうか悩む。

一話の感想を書くだけでこれだ。5話分をどうしてやるんだ。タイトルに「5話まで見てみた感想」って最初書いてたけどここまで書いて「(一話編)」って付け足さなきゃいけなくなったじゃねぇか。
再三確認するが、この感想はたった24分程度のアニメを見て出てきたのだ。それだけこのアニメは〝すごい〟のだ。
テンプレの中で多少おかしいところがあっても何も気にしない、そんな狂気が垣間見えるアニメはそうそうない。

僕は続きが気になって仕方なかった。展開が気になっているのではない。「自分がこれから何を考えるのか」が楽しみで気になっているのだ。一切考察の余地を与えない説明口調なアニメに突っ込み、時々考察していく。もしやこれを狙ってこのアニメを制作しようと制作委員会は決定したのだろうか。

だとしたら、僕は制作委員会に土下座して尊敬する。
僕はとんでもない神アニメを見てしまったんだなと今真に感じていたからだ。

次のブロマガは異世界スマホの第2話の感想を書きます。僕の体力が続くか、このアニメが打ち切りになるかの体力勝負です。頑張ります。ありがとうございました。

つづく