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「ニートやってる神が異世界転生した結果」一章を読んだ感想

おはようございます。僕です。

デスマが終わり、空白期間が出来てゆっくり出来ると思ってました?僕は思ってました。
でも感想記事を書くことになりました。なぜそうなったのか、とりあえず説明します。

はじめに

僕はデスマの感想記事を書いていたのですが、11話のコメントにこんなものがありました。



ほう……。
まさかの挑戦者(チャレンジャー)登場。スマブラかよ。書籍は13巻まで続き、アニメ化までされ、全話一挙放送をやる人気作への挑戦がきました。

僕は「デスマは結果的に良くも悪くもないクソアニメでした」と言ってましたが、「他を貶めて何かを上げる」という言い方は気に食わないし、なによりここまで豪語するこの方の小説に少し興味が湧き、「ワォ!そいつはすげぇな!もしよかったら、あんたの小説読ませてもらえねぇか?僕がそのデスマより遥かに面白いっつー小説の感想書いてみたいからよ!頼むぜ兄弟!」と煽り半分でコメントを返しました。
すると、マジで小説のリンクを貼ってもらったのです。マジでチャレンジャーだな。
僕は小さい頃から星新一眉村卓ハインライン、ディックなど名作SFばっか読んできたSF大好き少年なので、なろう小説を読んだ経験がありません。せっかく先日ジョージ・オーウェルの「一九八四年」を読了したのに早速記憶が薄れるんじゃないかと若干の不安が襲ってきています。

それがこちら、「ニートやってる神が異世界転生した結果」という小説です。タイトルにリンクをつけておいたので、興味が湧いた方はぜひこちらからアクセスしてみてください。

僕は愛七ひろ先生にマークされてしまっている人間ですが、僕も一応小説を書いて投稿している身なので「ほう、面白い若者がきたものだな」と勇者が初めて訪れた国の王様に無礼を働いてそれを許す王様の気分になりました。でも僕は心が狭いのでガッハッハと大笑いした後に「じゃあ死刑な」と言って勇者を連行します。
ということで、現在第4章まで続いているこの作品の感想を書いていきたいと思います。この記事を読んでいる皆さんも「我こそはチャレンジャーなり」と声をあげて僕のTwitterに突撃してきたらその作品の感想記事書きます。丁寧に接してきたら蹴ります。喧嘩腰できてくださったら確実に書きます。よろしくお願いします。

一章「異世界転生編」を読んだ感想

この小説の大部分を読んだので最初にまとめた感想を言いますと、結構面白いです。どう面白いかと言うと、こういう感じです。



そう、「とにかく一話ごとに与えられる情報量が脳の許容量を超えて飽和状態に陥る」ところです。登場人物と人間関係に至ってはメモに書き込んでいかないと把握出来ません。それくらいヤバいです。

で、こちらの「ニートやってる神が異世界転生した結果」のあらすじを説明しますと、「いつの間にか社内ニート状態になっていた神、アルベルトは暇潰しに自分の担当している世界に異世界転生することにしました」という物語です。社内ニート状態の神って斬新ですね。
それでこの作品、一話目からぶっ飛んでます。読み手の感情を平然と無視し流されるような感覚になります。

まず、この主人公のアルベルトが転生するところですが、他の神に提案されてそれを受け入れて出発という本文5行の理由で転生。抵抗がなさすぎる。「一理どころか二理くらいある」とあまり進歩のない譲歩をかますアルベルトに僕は既に頭痛が始まっていた。早いよ。文字読んでて頭痛するとかTwitterで女の子漁ってるおっさん見る時しかないと思ってた。1話目からこれとは異世界スマホの1話と肩を並べるレベルの辛さ。ヒャ〜!おでれぇたな!オラワクワクしてきたぞ!

第1話では「主人公のアルベルトが他の神に提案され転生し、世界観の説明をする」というところで終わりです。
しかしこの1話目でも相当の量の情報が詰め込まれていてその後改めての説明もなし。つまり「もうわかってらっしゃるよね?」という感じでストーリーが進んでいくのだ。分からんわ。
自然に設定が使われないため、最初に説明されてそれを覚えなければ世界で何が起こっているのか全くわからない初心者に優しくない設計に、1話目の時点で僕はわくわくしていた。かなりキツイ。

で、1話目でされた説明ですが、そのまま書くとややこしい上に主人公のアルベルトの語り口調が鬱陶しいので普通に解説すると
「転生先はファトマという魔法が発達した中世(アルベルトが担当していた星)」
「この世界には宇宙が八つあり、ファトマは第三宇宙に属している」
「この作品の中で言う異世界転生とは別の宇宙の別の星に飛ばされることを指す」
「地球は第5宇宙に属している」
「アルベルトが転生した先の街の名前はクロデア」
と、マジに1話目かよというレベルの情報量が飛び込んでくる。この時点で「面白くない臭」が凄まじいが、一度感想を書くといってしまった僕は引き返すことが出来なかった。それに1話目でここまで説明が入ってきて今後どうなっていくのかとわくわくしてしまっているクソアニメ研究家の僕の血が騒いでしまったのです。
読むのに1分いらないのにここまで感想が書けてしまうのは久しぶりですね。第1章は5話まであるのでこのままの勢いでさっさと感想書いていきましょう。異世界スマホの時のように「第一話編」みたいな感じになってしまいます。


二話目は「アルベルトが奴隷を買う」という話です。早くない?色々早いよ。
冒頭から脳みそがお花畑な元神のアルベルトは突然閃き、「そうだ、奴隷買おう」と京都に行くノリで奴隷を買いに行く。「ご主人様」と言われるのが夢らしい。夢ちっさいな。エロゲ買えば満たされるわそんな望み。本当に元神かよ。
買いに行ってるのになぜか「手違いで人を殺しまくって転生させまくった」というクッソどうでもいい話を読者に振ってくる元神。雑にフラグを立てていく。
とにかく美少女の奴隷を探すアルベルト、エルフの美少女を難なくゲット。特別な出会いとかがあるわけでもなく普通に売ってた。奴隷商人が八百屋みたいな感じで商売しててひっかかるが、そこにひっかかっていてはいつまでも沼の中でもがくことになってしまう。僕は細かいところにひっかかって考察をするのが好きだけども、この小説は一から十まで全部説明してくれるので全く脳みそを使わずに読める。小説のジャンクフードかよ。

エルフの美少女奴隷、ミリアリアちゃんをゲットしたアルベルトはビビリながら挨拶するミリアリアちゃんに対して「あっそう。俺はアルベルト。冒険者。宜しく。あぁ、しっかり立場をわきまえた言動取ってくれよ?」とめちゃくちゃ腹立つ挨拶を返す。お辞儀をするのだアルベルト。お辞儀だ。
が、そんなふてぶてしい態度をとっておいて傷だらけの体を神パワーで治してあげて服まで買ってあげるらしい。お前感情どこに置いてきたんだよ。なにが「しっかり立場をわきまえた言動」じゃ。
服屋に行ったところでなにやら店員が冒険者に頭を下げている。どうやら異世界に転生してきた日本人らしい。顔が思いっきり日本人だからわかったらしいが、転生したのに顔は変わらないとかクソ不自由ですね。僕とかが転生しても誰にも相手にされないこと請け合いじゃないですか。現実でも異世界でも自殺したくなってくるってなんだよ。
アルベルトが「俺が与えてやった能力だがどうやら勘違いしてらっしゃるようだな」と説教をかましに行く。転生者のアスカという男は「礼のなってないヤツに礼儀を教えていただけだが?」と神の数倍上から目線で言葉を返した。
さらに取り巻きの女達も口々にカルト教の信者みたいなことを言い出し、元神、絶句。なかなか狂ったセリフのオンパレードなので書きたいところではあるが、書き出していると僕の精神が先に壊されそうなのでやめておきます。皆さんは自分の目で確かめてください。
アスカの態度と言動にキレたアルベルトは決闘を申し込み、二話が終了。マジで二話でやる内容かよ。二話目にして狂気の言葉と世界観をぶん投げられ、呼吸困難になるまでに苦しんでいる僕を笑うかのように物語は続く。物語と呼称していいのかどうかもわからない。なに?これゲームブック?選択肢によってはページ飛ばしていいやつ?

三話目はアルベルトとアスカが対峙するところからスタート。
対峙しただけで強いことを悟ったアルベルトは気を引き締めてかかった。それからしばらく殴り合い、アルベルトが渾身の腹パンをかまして決着。「強くなれ。そしてもう一度俺に挑みかかって来るが良い。………這い上がって来い!アスカ!」とかいう本来師匠が言うべきセリフを初対面でかますこいつは面の皮がどれだけ厚いのだろうか。ヤバくない?
かっこよく立ち去ろうとしたところをミリアリアに呼び止められ、服を買って帰る。うーんテンプレ。安心する。僕もテンプレに安心してしまう狂人になってしまったのだなとしみじみ思う。死にたくなってきますね。
アルベルトは普通に家に帰るが、「家いつから住んでたんだよ」という読者のツッコミをコンマ2秒で説明するアルベルト。転生前に作ったらしい。
「ここがお前の家だ」とミリアリアちゃんに見せると、ミリアリアちゃんは目を輝かせてお礼を言う。お礼を言っただけで「おっとこれは俺に惚れましたかね?チョロインか?」と認知が歪みまくっている童貞臭いことこの上ない神。神なのにどれだけ性に恵まれない生活してきたんだよ。ゼウスを見習え。浮気する度に動物に変身して星座作って誤魔化してるんやぞ。

ここでアルベルトは通信機を使って地球担当のリオーネという女神に連絡をとった。地球の文化が根付きすぎて異世界に来てる感じがしないのが不満らしい。それにリオーネさん「地球の文化を持ち込んで儲けたいとか、文化を広めたいのでは」と適当な説明をすると1秒で納得したアルベルトは「おお、それなら納得だわ。んじゃな。」と言って通信を切る。なに?このやり取りいる?普通に「ここには地球の文化が根付いているようだ」みたいな説明で事足りるじゃん。今更会話の中から設定がわかるようにしても一話目から五行使うレベルの説明をしてしまっているので「手遅れ感」はすごい。これ取り返すこと不可能では?


4話目は屋台でタコヤキを買うアルベルトとミリアリアちゃんからスタート。
タコヤキで目をキラキラさせるのはミリアリアちゃんだけで十分なのに一緒にわくわくする元神。もうただの転生者じゃん。
アルベルトは幼馴染立ち位置である女神メティスから「一応あんた転生するんだから転生特典上げるわ。転生させるの私じゃないけどネw」とクッッッッソムカつく口調で1億円もらう。この世界の通貨はペンネというらしいが、今後あまり出てこないので説明してもなって感じです。通貨の名前の設定がしっかりしてる小説はいい小説なので皆さんも参考にしてください。

今回は神とミリアリアちゃんがタコヤキ食ってるだけで終了かと思ったが、アスカ一行に会っていたらしい。「俺はこの一件でアスカの事を見直したぜ。手のひら返しって事だ」とドヤ顔で語っているが、もういちいち言葉の誤用にひっかかっていったら心が壊れてしまうので放っておきます。もう死にそう。
アルベルトがアスカの取り巻きがベタベタしてることに突っ込み、鈍感系主人公を晒すアスカ。そこで「魔王と邪神には勝負を挑まないほうがいいぜ」と忠告した。終わり。
それで「アスカのことを見直した一件」というのが僕には全く見えなかったのだが、一体どこで見直していたんだろうか。もう腕にひっついてんのに気に入られるようなことはしてないとやれやれかまされてどこで見直せばいいんだよ。殺意のボルテージ上がって終わりだわ。

アルベルトはそこから「魔王・邪神」の説明に入った。これもクソ長いのでざっくり説明しますが、
「魔王と邪神は桁違いに強い」
「強い理由は邪神はもう神だし、魔王は神が転生した姿だから」
「〝アレ〟を使えば神本来の強さになれるが身体的な負担がでかいためあまり使えない」というもうどこに向かっているのかわからない説明が入る。アルベルトは邪神と過去に戦った事があるらしいが、手も足もでなかったという。この時点でアルベルトがどの程度の強さなのか全然わかんないんで全く基準として機能してないですが、そこももう無視でいきます。強さも中くらいらしいしかなり微妙な立ち位置にいるらしい。
ここでアルベルトはなぜかミリアリアちゃんと修行に入るらしい。なんで?


そして第5話、急に過去に戻り幼いアルベルトが死にかけているところから開始。なぜか飢えて死にかけているが、そこについては全然説明がない。多分今後もない。そこに現れたのが白い着物を着た獣系少女。「なかなかいい逸材だし儂のものにならぬか?」と救いの手を差し伸べ、それにすがったアルベルトはそれから長い年月修行をし続けた。

過去から戻って「一緒に鍛えるぞ!」と言った翌日、トレーニングの準備が出来ているアルベルトは朝の9時にミリアリアちゃんを起こしに行った。4kmとなかなかショボいランニングをした後に組手の訓練をして食事をとるというダイジェストでやったら5秒で終わりそうな感じの特訓だが、めちゃくちゃ改行しているせいで長く特訓している気になってくるから不思議だ。ギャルとか芸能人のブログがめちゃくちゃ改行してるせいで長く感じる現象に似てる。

同時刻、第三宇宙某所では何かが目覚めたと同時に惑星を破壊していた。や っ た ぜ 。
付き人が「やっとお目覚めですか、白楼様」と声をかける。白楼様と呼ばれた少女は過去にアルベルトを拾った少女と特徴が一致していた。もうこの時点で正体はわかっているが、「そう、この少女こそが第三宇宙の破壊神にして、アルベルトの師匠、白楼なのである!」と丁寧に説明してくれるモノローグ。わかっとるっちゅうねん。
白楼様は弟子のアルベルトが人間に転生して生活を送ってることを聞くと、目を見開き、弟子の顔を見にファトマに向かった。
その頃第三宇宙の安息地では、年老いた神と若い男の神がお茶をしていた。急に「おお……なんということじゃ……」と言い出す老人の神に「どうしたのですか?」と問いかける男の神。そら急に「なんということじゃ……」とか言いだしたら「ついにボケたか」くらいに思うだろう。どうやら白楼様が目覚めるということは惑星の危機につながることらしい。破壊神だからね。老人の神、老成神がファトマの無事を祈って五話が終了。

ここでようやく第1章が終わりました。死にそう。まとめの感想いっときましょう。

まとめの感想

久しぶりに異世界スマホ並みに辛い体験をしました。なろう小説ってこんなに読むのに体力いるんですか?一話読むのに3分いらないレベルなのにごっそりヒットポイント削られていきますね。本当に死にそう。
五話の時点でいうと、デスマより圧倒的につまらないっていうか、「読者に考える隙を与えない作品」ですね。まあなろう小説特有の「フラグ建設→即回収」は出来ていますが、それにしても考える隙がない。考えても「まあ特に今後回収はしないだろうな」というところが多い。
一応「アルベルトがなんで邪神と戦うことになったのか」とか「幼い頃なんで飢えて死にかけていたのか」とかは気になってはいるんですが、今読み終わってる29話の時点で全くわかっていません。最新話が51話なのに。明らかになるのいつなんだよ。

とりあえずこの感想ブロマガは最新話である51話まで続けるつもりですが、今になって胃が痛くなってきました。この地獄あと46話分あるの?ふざけてんのかよ。
しかし「デスマより面白い!!!」と豪語され五話まで感想を書いて「やっぱりクソじゃねーか」と切ってしまうのももったいないですね。デスマも9話とかで急に面白くなって最終回で下がりましたし、そういったタイプのサプライズがあるかもしれません。サプライズがなかったらこのなろう小説の感想記事の最後で「結論:やっぱりクソでした」ってデカデカと書くことをここに宣言します。ほんとだよ!サブライズが無かったら木の下に埋めてもらって構わないよ!


次回、第2章です。この小説閑話含めて第6章まであるので、とりあえず全部書きたいと思います。6章全部書き終わったらこの感想シリーズも終わりになるので、頑張って書きます。「全て自分が悪いのだ」という自戒も込めての更新です。クソアニメ枠のない空白期間のお供になれれば幸いです。何も幸いじゃねぇよ。クソが。



つづく