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「賢者の孫」十話を見た感想

おはようございます。僕です。

賢者の孫もいよいよ大詰めになってきましたね。今回で話が動くのか、それとも動かないのかドキドキですね。アニメ作品としてドキドキするハードルが下がりすぎている気がしないでもないですが、毎回いろんな意味でドキドキしている僕にとってはもう「何にドキドキしないのか」があやふやになってきています。着実に狂ってきていますね。早く生を終えたい。

しかし前回「つまらなくはない(面白いとは言ってない)」というコメントを頂いたので、少し期待して見ます。それでは早速感想のほういってみましょう。



十話を見た感想

第一印象ですが、「孫のパート丸ごといらないな」と思いました。今回はシュトローム先生の過去の話がメインになっていくのですが、なんなら「孫で一番面白かった回」として挙げていいと思います。正直他のアニメと比べて「おもしれっ!!!」と言うほどではないんですけど、この賢者の孫のアニメではトップで面白い回です。


アバン、ドアップで登場するアリスちゃん.BBからスタート。幸先がいいな。今日いいことありそう。



このアホそうなツラを見ているだけで幸せになれるが、コメント欄では既に「アリスちゃん=萌黄えも」として扱われていて面白かった。プリチャンの感想を賢者の孫に書くな。プリチャンの動画に書け。確かにめるめるのソロ曲は最高に可愛かったけれども。

しかしすかさずマリアが「ま、こうやって空に浮いてられるのはシンがかけてくれた浮遊魔法のおかげなんだけどね〜!」とシンageを入れてくる。いい気分が台無しだ。マリアって全裸土下座似合いそうだね。
トールくんも「自分たちは風の魔法を操って移動しているだけですからね!」と説明を入れてくる。前回未視聴の視聴者にも優しい設計。多分賢者の孫を見てる視聴者で途中参加してる人はほぼいないと思うけど。最初から文句言い続けながら見てる人ばっかでしょ。物好きな人もいたものですね。顔を見てみたい。

みんなが飛んでいる様子を遠くから眺めているシン。なんかシュールだ。正月の凧揚げかよ。



メイは「早く飛びたいです!ちゃんとこれを履いてきたです!」と言ってスカートをたくしあげ、その下のドロワーズを見せた。パンツじゃないから恥ずかしくないもん!いや、クソ懐かしいな。こんなところでインターネット・ノスタルジーに浸るとは思ってなかった。

はい。一ネタ終わったところでシンは前回出した糸電話っぽいやつを応用したっぽい拡声器を使って「おーい、そろそろ降りてこーい!」と飛んでるみんなに言った。
オーグが「いろいろ使えそうだな」とトールくんに言うと、トールくんも「殿下の立太子の儀式で、使ってみてもいいかもしれませんね」と答えた。へー、皇太子にちゃんとなるんすねぇ。どうでもいいけど。
メイちゃんが「みなさーん、早く代わってくださいですー!うふふ♪」と笑ったところでオープニング。
いいぞ。アバンっていうのはこういう不快にならない程度に今後使われるだろう情報を出していくようなところだからな。こういうレベルの会話をしてくれ。

オープニング明け、シュトローム先生が占拠した城に。早速か。ついに帝国は全滅したらしい。
ミリアさんが「ゼスト率いる魔人部隊が、街道を通る対象を襲い、食料の供給をストップさせる。そんな中でも贅沢を続ける貴族たちに、飢えた平民たちが恨みを募らせたところで誘いをかけ、彼らを魔人化。魔人となった平民たちは、積年の恨みを晴らすべく領主を血祭りに上げ、さらには街や村を蹂躙……シュトローム様は帝国貴族を憎んでおられる……だがこのやり方で、多くの平民までもが犠牲になった……。シュトローム様……あなたはなぜそこまで……」と全部丁寧に説明してくれた。ありがたいことこの上ないのだが、



回想で出てきた真ん中の貴族が面白すぎて気になる。なんなんだお前。シャウエッセンのパッケージか。

右の貴族も貴族にあるまじき食い方をしているが、そこはまあどうでもいい。さて、シュトローム先生は謁見の間に魔人を集め、「帝国を滅亡に追い詰めました。喜ばしいことです」と言った。魔人たちは「うおおおーーー!!!」と雄叫びをあげる。士気が高い。しかし、シュトローム先生は「さて、これからどうしましょう……帝国を滅亡させることが私の目標でしたからね……もうやることがないんですよ」とクリアした後のポケモントレーナーみたいなことを言う。やり込み要素はいくらでもあるはずなのに。

手下の魔人たちは「世界征服したろうぜ!」とやる気満々だが、シュトローム先生は乗り気ではない。めちゃくちゃやる気を失っている。これはケースにしまって放置したあとブックオフ行きのゲームですね……。
魔人化させておいて「後は好きにしろ」とか勝手かよと思いますが、元々平民が復讐するために魔人化させた大義名分があるので、この態度も平民からしたら納得するしかないのでしょう。元々世界征服とかのための魔人化ではないので。

ここでミリアが「なぜそこまでして、帝国を憎まれているのですか」と質問した。おっ、ついに聞くか。「そういえば話したことはなかったですね。それではお聞かせしましょうか」とシュトローム先生も別に過去を聞かれるのは嫌ではない様子。帝国への憎しみ以外人間としての感情が薄れている描写の一つでしょうか。なかなかレベル高くなってきたな、賢者の孫。僕が深読みしている可能性もあるけど、今はそういう風に解釈しておこう。そっちの方が幸せそうだから。

さて、二年前のストラディウス領には、まだ「オリベイラ」と呼ばれていた領主がいた。
昔旅で訪れた、奴隷制度がなく誰もが笑顔で暮らしているアールスハイド王国に衝撃を受け、誰より平民に親身になり、誰からも慕われていた優しい領主であった。彼は結婚しており、妻と妻のお腹に一人の子供がいた。幸せそうな家庭だ。妻のCV.坂本真綾

一方、リッチモンド公爵家ではある秘密の会合が開かれていた。嫌な予感しかしない。
そこには複数人の貴族たちが集まり、保身のために彼を貶める策略を立てていた。やっぱりね。
リッチモンドは貴族たちに提案した。「帝都に奴を呼び、引き止め、その間に私が失脚を図る」と。リッチモンドは後にシュトローム先生に直々にぶっ飛ばされていたやつだが、こういう因縁があったんですね。貴族たちが真面目に「歓迎会とか……」「勉強会と称して呼べば……!」っていう話をしてるのを見てるとほっこりしますね。中学生のドッキリかよ。でもまあ現実の政治家とかも講習会とか開いてますしね。

そして何も知らないオリベイラは招待状を妻のもとに持ってきて喜んでいた。どう見ても封蝋が切られていないように見えるが、オリベイラは手紙の中を全部読んでいた。超技術かな?
しかし妻は「本当に大丈夫?あなたのことをよく思っていない貴族もいるとか……」と疑っていた。かしこい。しかし魔法の腕に自信があったオリベイラは「ははは!大丈夫さ!」と笑い飛ばした。フラグを連立させていくな。こうしてオリベイラは帝都に出立した。

場面は変わり、夕暮れどきの主婦の井戸端会議に。おばさんたちは「神隠し」の噂をしていた。女子供が行方不明になる事件が起こっているらしい。
そこに現れたのは「帝都からきた憲兵」だった。「人さらいが出て奴隷として売り飛ばされている」とおばさんに教えた憲兵はニヤリと笑った。
噂は一人歩きし、オリベイラが人さらいをやっている犯人という噂も流れた。「平民にこんな優しくするなんておかしくない?」と、貴族全体の悪評からオリベイラは疑われた。そしてやはり、あの憲兵も偽物だった。場面は変わり、リッチモンド領地に。リッチモンドオリベイラが「そろそろ領地に戻る」という話を聞き、「仕上げにかかるか」と笑った。ザワザワしてきた。

オリベイラの領では、あの偽憲兵が平民に「人さらいの詳細を掴んだ!逮捕に協力してほしい!」と頼んでいた。
公爵家の紋のついた馬車を偽憲兵が止め、荷を改めると、そこには攫われた人たちが捕らえられていた。決定的に「オリベイラが犯人」だと確信した平民たち。「このままじゃいられない!」と平民は立ち上がり、ついでにオリベイラの館にも火の手が上がった。
戻ってきたオリベイラが見たのは、業火に包まれる屋敷だった。「長旅から帰って来たら家が燃えてた」って、文字に起こすとめちゃくちゃ嫌ですね。絶望しかない。

ここでCMカット。今回はCMカットの音も不穏な感じがしていいな。どこで「良さ」を感じてるのか自分でもわからなくなってきた。僕は何を言っているんだ。

CM明け、再びシュトローム先生が回想に入るところにきた。到着した頃には既に屋敷は蹂躙され、妻も子供も死んでいた。
オリベイラは絶望しながら「なんでこんなひどいことを……」とつぶやいた。平民たちは「ふざけんな こっちはぜんぶ しってんだ」と怒りの川柳を詠んだ。名句だな。
憲兵公爵家の馬車を取り押さえたんだ!」と言ったが、オリベイラは「憲兵団が一般人を同行させることなどありえませんよ……」と速攻で論破した。早。さらに「違法な奴隷を紋のついた馬車で運ぶ馬鹿がいるか」という追い打ちに、平民は何も言えなかった。あほあほの民。

ここで全てを察したオリベイラは絶望し、「恩を仇で返すような愚かな人間のために、クソな貴族を生かす帝国のために今まで尽力していたとは」と体中の魔力を漲らせた。
間違いに気付いた平民は許しを乞うたが、「許すわけないだろうが……」と力を解放し、平民や屋敷、妻諸共全て消しとばし、魔人となって領地を一瞬で更地に変えた。そしてブルースフィア帝国に復讐を誓ったのだった。

話が終わったゼストは、若手のローレンスに「話を聞いてどうだった」と聞いた。「そりゃ気持ちはわかりましたけど……」と言ったが、それに続くようにゼストは「しかしシュトローム様は目的を果たされてしまわれた……今のシュトローム様には新しい目的が必要だ。そうは思わんか?」と問いかけた。ローレンスは「まあ無いよかあったほうが……」と若者らしいふわふわした答えだ。僕も多分そう答える。
ゼストは「そこでだ、お前は出て行った魔人たちに紛れてスイード王国に攻め込むように仕掛けろ。スイード王国はアールスハイド王国と国境を接する小国だ。そこに魔人が攻め込んだとなればシン・ウォルフォードも黙っていないだろう。シュトローム様の敵にふさわしい」と指示した。燃え尽き症候群みたいになっている人に敵を仕掛けるのもどうかと思うが、敵の部下が上司を想っている描写は好きだ。「人間味のない化け物」を敵にしているときとは違うトキメキがある。僕は小さい頃からどちらかといえばアンパンマンよりバイキンマンのほうを応援していた子供だったので、「敵が内部でこういう動きをしていて、こういう想いを秘めてやっている」という描写に弱い。みんなも一度アンパンマン映画を見よう。どれかは忘れたが、アンパンマンバイキンマンが「何のために生まれて、何のために生きるのか」に答えを出している映画があった。あれは是非見てほしい。タイトル忘れたけど。

というわけで舞台はアールスハイド王国に戻り、オーグの立太子の儀式へ。もどして。
粛々と儀式は行われていたが、ここで兵隊の一人から「スイード王国に魔人が出た」と報告が入った。
「馬鹿者!大切な儀式のときに……!」と他の兵が抑えたが、オーグは「よく言ってくれた。魔人出現の情報は、何よりも最優先される」とフォローした。寛大な処置アピールお疲れさまです。今後もあるのかなこれ。当たり前だが、それを聞いた平民は不安がっていた。

「皆んな、落ちついてほしい。たった今、隣国スイード王国に、魔人が現れたとの報告が入った。だが心配するな。魔人に対抗する手段は、我々は既に持っている!」と自信満々に演説する殿下。まさか……。

オーグ「シン!」

シン「……(スタスタ)」

僕「ちょっと待て」


そのまさかだった。公衆の面前で、「シンと魔人討伐します!」の演説を行ったのだ。ついに明らかな「軍事利用」「政治利用」をしてしまったオーグに僕はもう何も言えなかった。ギリギリブラックに近いグレーで「政治利用してません」をしてきたのに、ついにストレートに入ってしまった。どうするつもりなんだ。僕はもう庇いきれないぞ。

颯爽とローブを脱ぎ、戦闘服を出すSクラスのみんな。シンも僕も「えっ!?脱ぐの!?」とビビっていた。さらにオーグは「シン、お前も何か言え。これは国民の不安を払拭するためのパフォーマンスだ。決めて見せろ。それと、何かチーム名を考えろ。研究会の名前じゃ学生じみて迫力に欠ける」と即興の無茶振りをするオーグ。もう政治利用を隠す気もないし、矛盾もガン無視だ。こいつがいる飲み会に絶対出たくない。
シンはマイクの前に立ち、なんとか「究極……魔法……」と語彙を絞り出し、演説を続けた。

シン「俺たちは必ず魔人を討伐してきます!このアルティメットマジシャンズが!!」

民衆「うォォォーーーーーーッッッッ!!!!!!」

僕「カァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



僕は大笑いし、クラスのみんなはドン引きし、リンちゃんは気に入っていた。
異世界スマホの「ブリュンヒルド」以来の大笑いだった。恥ずかしいなら出すなそんなもん。

そして派手に決めるためみんなで空を飛び、一斉に出陣していったのだった。



ハリーポッターで見た構図だ。

そしてエンディング。終了。まとめの感想いきましょう。

まとめの感想と考察

今回はなかなか良かったですね。ストーリーが纏まっていて、矛盾もなくキャラクターに感情移入が出来る構成でした。ペラくてよくあるという評価もわかるし正直僕もそう思うが、その「ペラくてよくあるがちゃんとしている構成」すら出来ていないまま十話を迎えたアニメがこれなのだ。今回見た時「おお……ちゃんと……ちゃんと画面を見られる……!」と感動してしまったほどだ。いや本当、感動した。「見られる作品になっている」ということに。

この感動に既視感を覚えた僕は長考し、ある結論に至った。
「サメ映画で当たりを引いた瞬間の高まり」だ。Netflixアマゾンプライムでサメ映画を漁っては苦悶しながらニヤニヤしているのがいい気晴らしになるのだが、その中で当たりの映画を引いたときの感動と似ていることに気付いた。期待値ゼロで見ていた「パニック・マーケット」の面白さはすごかった。一人で盛り上がってヒューヒュー言ってしまったのを覚えている。


で、考察なんですが、ゼストはなぜシュトローム先生に戦っていてほしい」のでしょうか。
ここら辺は恐らく原作では語られているんでしょうが、考えさせてください。そもそもシュトローム先生周りの人たち、どうやって集められたのでしょうか。
シュトローム先生の過去、性格を鑑みるに「仲間を必要としている」感じではなさそうでしたし、そうなると必然的にネウロのシックスみたいな感じで「シュトローム先生のカリスマ性に惹かれて集まった」ということでしょうか。だとしたらゼストがシュトローム先生の役に立つべく「引き立て役」を必要としてシンをけしかけているのにも納得がいきます。
が、そもそもブルースフィア帝国を騙くらかす程度には諜報活動に慣れているゼストは何者なのでしょうか。ブルースフイア帝国の王曰く、彼は平民の立場らしかったですが、何か裏があるように見えてなりませんね。
過去にそういった諜報活動の経験のある職だったのか、別の主人に仕えているスパイとしてシュトローム先生の首を狙っているのか。そう考えるとゼストがシュトローム先生とシンをカチ合わせて相打ちにさせ、主人のいなくなった椅子に座る」というシナリオが見えてきます。この展開でも熱いと思うんですが、多分外れでしょう。僕の考えた「こうなったらいいな」はほとんど外れますから。

それと、「この世界の羞恥の基準はなんなのか」です。
シンが名付けた「アルティメットマジシャンズ」という名前はSクラスのみんなが大体引いていたし、オーグに至っては嘲笑していました。しかし、魔法の詠唱ではみんなノリノリで魔法の詠唱と名前を叫んでいます。それに羞恥を感じるシンでしたが、この差は一体なんなのでしょうか。
少なくともドン引きや嘲笑が起こるということは、この世界では「英語」が存在し、「英語の名がつけられた部隊名を恥ずかしく思う」という常識があるということになります。極めて日本人の感性に近く、異世界からの転生組であるシンと意識レベルが同じというのは違和感を覚えますね。彼らにとっての「羞恥」がズレているのが当たり前だと思っているのは僕が「ここが完全な異世界」だと思っているからでしょう。
しかし、ここを「科学の代わりに魔法が発達したパラレルワールド」と考えると考えやすいですね。前にも書いた気がしますが、そうでもしないと辻褄が合いません。「日本人の高校生くらいの感性が似通っている」「英語が存在する」など現代日本でまんまやっても理解されることをわざわざ文化も歴史も何もかも違う異世界でやる必要はありません。
そう、ここはパラレルワールドの日本の中にある「アールスハイド王国」だったんですよ!!!!!!!!!!!
すいません、即興で考えたら乗ってしまってクソみたいなことを書いてしまいました。忘れてもらって大丈夫です。


さて、残り2話ですが、この引きから考えてあと魔人と戦ってシュトローム先生と戦って終わりでしょうか。そういう構成だとスッキリするんですが、クソアニメでは「最終回付近にデカイ爆弾が投下される」ことが多々あります。油断せずにいきましょう。




つづく